会計事務所の人手不足対策|採用に頼らず業務を回す方法
「求人を出しても応募が来ない」「若手が定着しない」——会計事務所・税理士事務所の人手不足は、採用市場の構造もあって採用だけでは解決しにくくなっていると言われます。この記事では、いまの人数のまま業務が回る体制を作るという逆側からのアプローチを、優先順位つきで解説します。
会計事務所の人手不足が起きる構造
会計事務所の人手不足には、業界特有の構造があります。
- 業務が定型作業に偏っている:記帳・資料整理・書類作成など、経験の浅い職員が担う定型業務の量が多く、一人あたりの負担が大きい。
- 繁忙期に業務が集中する:年末調整・確定申告・3月決算に山が集中し、繁忙期基準で人を抱えると閑散期に余剰が出る。
- 採用競争が厳しい:経験者は獲得競争になりやすく、未経験者は育成に時間がかかる。
つまり「人が足りない」の実態は、定型業務が多すぎて人の時間が食われていることである場合が少なくありません。
対策の基本方針:仕事を減らしてから、人を増やす
採用・外注・値上げ(顧問先の絞り込み)はどれも有効な選択肢ですが、先にやるべきはいまの業務量そのものを減らすことです。定型業務をAIや仕組みに引き継げば、採用の必要人数自体が減り、採用できたときも新しい人を判断業務に充てられます。
具体策5つ(優先順位つき)
① 資料回収・督促をAIに引き継ぐ
未提出の顧問先の抽出、依頼・催促の連絡、回収状況の管理を自動化します。職員の時間が空くだけでなく、資料が早く集まることで後工程すべてが前倒しになり、繁忙期の山も低くなります。
② 記帳・仕訳入力をAIの下書き+確認体制にする
領収書・通帳の読み取りから仕訳候補の生成までをAIが行い、職員は確認に回ります。「入力できる人を採る」必要がなくなり、育成の負担も軽くなります。
③ 問い合わせの一次対応を自動化する
顧問先からの定型的な質問への回答をAIに任せ、税務判断が必要なものだけ担当者に引き継ぎます。作業の中断(コンテキストスイッチ)が減ることは、少人数の事務所ほど効きます。
④ 繁忙期の業務を平準化する
年末調整・確定申告は「資料が集まってから短期間で処理する」構造が負荷の原因です。資料依頼の自動化で回収を早め、AIの下書きで処理を前倒しすれば、残業の山をならせます。
⑤ 職員の時間を判断業務・顧問先対応にシフトする
空いた時間を月次面談の充実や提案(融資支援・経営助言など)に充てれば、事務所の付加価値と単価の向上につながります。単純作業が減ることは職員の定着率にもプラスに働きます。
モデルケース:職員3名の事務所の場合
顧問先70件・職員3名のモデルケースで、定型業務をAIに引き継いだ場合のイメージです(数値は目安であり、効果は事務所の状況により異なります)。
| 業務 | 導入前 | 導入後のイメージ |
|---|---|---|
| 資料回収の督促 | 電話・メールで都度対応 | 自動催促に置き換え、対応はほぼゼロに |
| 記帳・仕訳 | 職員が手入力 | AI下書き+職員は確認のみ |
| 定型の問い合わせ | 作業を中断して対応 | AIが一次回答、要判断のみ引き継ぎ |
| 月次報告 | 担当者が毎回作成 | 下書き自動生成+コメント追記 |
浮いた時間の使い道は事務所の方針次第です。顧問先を増やす、面談を手厚くする、残業を減らす——いずれの場合も「人を増やさずに選択肢が増える」ことが本質的な効果です。
よくある質問
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